化石になっても歯は語る
化石となった歯を調べることで、いろいろな事実を知ることができます。例えば草食性であったか、肉食性であったかというような基本的なことは比較的簡単にわかるそうです。歯の摩耗状態をチェックすることで、鳥の祖先といわれている始祖鳥が昆虫や海岸に打ち上げられた動物の遺骸を食物にしていたことも推定されています。肉食性の恐竜が歯ぎしりをしていたことも、歯の減り具合で判明しているそうです。凶暴な肉食性恐竜ティラノサウルスはその極端に小さな前肢で歯の掃除をしていたこともわかっています。もちろん化石で残された歯の状態から生活様式や生態の観察ができるのは人間の場合でも同じ。古代エジプト人のミイラの歯が極端に摩耗していることから、その原因は彼等が日常食べていたパンに砂の粒が多く含まれていたことがあきらかになりました。
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