歯の相談室

Q12.エナメル質形成不全歯とは?
Q.子供の歯質が弱い(エナメル質が無い)という友人から聞いたのですが、難産だと歯に影響すると言うのです。どういう根拠からですか?お教えいただければ幸いです。

A.お答えします。
「難産だと歯に影響する」と言っていますが、歯質の弱さとどういう因果関係があるのか、私もわかりません。ただ、言えることは妊娠中、胎児の成長過程において、歯と顎の発生・発育が胎生4〜10週で行なわれるのです。また、歯胚の形成が乳歯の場合胎生7週から、永久歯の場合胎生3〜4ヶ月の間に行なわれます。たとえば、妊娠中にタバコをすったり、お酒ばかり飲んでいると、生まれてくる赤ちゃんが未熟児だったり、低体重児になるといわれています。当然歯も弱くなるかもしれません。やはり、妊娠中は規則正しい、生活を身につけ、栄養面でもバランスの良い食事を摂り、気を使わなければならないと思います。
 友人のお子さんの歯質が弱く、エナメルが無いとおっしゃってましたが、これはエナメル質形成不全歯とか、エナメル質減形成というものだと思います。
(歯の発育過程)

原因として考えられるのは大きく分けると2つあります。
1)局所的原因
 外傷、炎症(乳歯の根尖性歯周炎、顎骨骨髄炎)、電離放射線

2)全身的原因
 一般的な栄養障害、ビタミン欠乏、または過剰内分泌障害、先天梅毒、無機質(フッ素過剰・カルシウムその他の無機質)遺伝、などといわれています。
 歯の発育中に生じたエナメル質の肉眼的あるいは組織学的構造または石灰化の異常で、歯の表面は粗雑になっており、白斑が見られたり、黄色みを帯びます。障害の程度が進むとエナメル質の表面に凹窩、溝、不規則な欠損などが生じ、さらに重症な場合にはエナメル質がまったく形成されないことがあります。これらの変化は障害を受けた歯胚の発育時期、障害の種類と強さによって異なって現れます。エナメル質が薄いと、う蝕(むし歯)になりやくなります。う蝕になりかけたら、歯面を被覆したり、詰めたりして、二次う蝕にならないように修復処置をした方が良いでしょう。
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